AMDA大槌健康サポートセンターの始まり

アムダ大槌健康サポートセンターは、被災地住民の心と体の健康と痛みをケアするための鍼按摩・指圧マッサージの治療院とコミュニティースペースの2室からなる施設です。本施設を利用することで、仮設住宅、一般住宅に暮らす住民の垣根を越えて、地域住民の交流の場を提供する場です。

 

大槌は震災前珍しい食べ物や旬の物を互いに分けて食べたり、近隣で困った事があったら助け合う、冠婚葬祭は勿論、いずれの行事も日本の伝統、大槌の伝統を受け継いでいくという大切さに重きを置いている土地でありました。行事、四季折々、節句等の郷土料理は理に適っています。旬を味わい、地産地消を原点とすると栄養価の高い食材を摂取できて、香り豊かな食材は五感の嗅覚を刺激していい香りをかぐと、幸せを感じ食欲が増加します。味覚と嗅覚は健康のバロメータ―にもなります。

 

イエローハウス健美館は鍼按摩・指圧マッサージで施術し、心身共に健康をめざしリラックスいただいています。リピーターが多く美と健康体操、アンチエイジングに関して栄養面や食事など抗酸化力の高い食材をアドバイスする教室を開催し個々の患者さんに応じたケアをしております。

 

コミュニティースペースはボクシングを取り入れたエクササイズ教室(パンチやキックを力一杯繰り出すことで日頃の運動不足の解消やストレスの発散につながる。)
体操教室(仮設住宅でも一畳スペースで出来るストレッチやタオル・ゴムベルトを使用して体を動かす柔軟体操と筋力アップ)
天然酵母パン教室(フライパン一つで天然酵母パン作りを東京在住の講師を迎え、養成講座を実施。仮設住宅の狭いキッチンでもおいしい天然酵母パンが出来ることで、人気の講座。また全12回すべてに参加した方には、講師として活躍出来る為のディプロマ取得、10人が取得し、それぞれが交代で講師役を務め、新しくパン教室を実施しています。)
郷土料理教室(町民の方々でお母さん、おばあちゃんが震災で亡くなり、家の味、郷土料理、お節句料理が途絶えて作り方がわからないという皆様に年5回料理講習をしました。)
郷土芸能(自宅、公民館が被災し郷土芸能の練習場所がなくなった為、室内やデッキを使用して練習)
茶道教室(町内の茶道の先生が初心者に指導、心穏やかな時間を過ごせます。)
煎茶教室(町内の煎茶道の先生が初心者に指導し、日常でもおいしい煎茶がのめると好評)
手芸教室(町内の主婦の方々が得意分野で講師となり、参加者に指導する。ペーパークラフト、和柄手芸、ビーズ手芸、マーブルアート、エプロン作り、タオル手芸)
託児付ヨガ教室(心身共にリラックスすることをテーマに開催。育児中の子どもと離れて過ごす時間が少ない母親達が気軽に参加できるよう、託児サービスを設けています。ヨガの時間だけは育児から解放され、リラックスしてもらう事が目的。子育て中の参加者同士悩みを皆で相談しあったり、アムダ助産師のスタッフが参加しサポートにあたっている。)
チャレンジショップ(お店を持ちたいがそこまで決断できかねる方々がチャレンジして、手作りのもの、小物、食品等販売する。)

 

2011年12月から2013年4月に引越しまでの利用者数が3420名となりました。町内の方々だけでなく他市町村、他国からの支援者との交流場となっております。多くの皆様に支えられ今の生活があるのだと心から感謝しております。一人一人が自立し、人に寄り添い、受けた恩は少しずつ返せる様になる事を日々皆様と話しております。

 

AMDA大槌健康サポートセンター センター長 佐々木 賀奈子